★ 8月17日  東拘宣伝カー行動開始 ★
大坂正明さんの接見禁止解除を
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 8月17日、東京拘置所に対する6回目の申し入れ行動を行いました。全国で新型コロナの感染が爆発的に増える中、未だに希望者へのワクチン接種を実施しない拘置所の対応を追及しました。庶務課長補佐は東京拘置所内でも感染者が出ていることを認め、「葛飾区と調整中」「10月には希望者にワクチン接種を開始できるよう計画している」と回答しました。
 その後、救援会は宣伝カーに乗り込み東京拘置所を一周しました。「大坂さん聞こえますか」「接見禁止を打ち破ろう。絶対にあなたを取り戻します」「東京拘置所は被収容者の命と健康を守れ! 新型コロナの感染対策を徹底しろ。希望者へのワクチン接種を直ちに行なえ」と大声で呼びかけました。
 これから毎月、救援会は東拘宣伝カー行動を闘います。

救援会結成1周年集会
熱烈に大坂さん奪還誓う

 8月28日、大坂正明さん救援会結成1周年集会を開催しました。コロナ感染爆発情勢の中、92人が集まり力強く大坂さん奪還を誓いました。
 大坂さんが不当逮捕されてから4年。この1年間、救援会は大坂さんの命と健康を守るために行動を積み重ねてきました。裁判所や東京拘置所への申し入れ行動を闘い、6月13日には東拘包囲デモを実現し、権力を追い詰めてきました。
 公判前整理手続が大詰めを迎え、いよいよ公判開始に向けた緊迫した情勢を迎えました。集会では大坂裁判に勝利し星野文昭さんと奥深山幸男さんの無念を晴らそうと確認されました。

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荒川対岸に東京拘置所を臨む会場に92人が集い、大坂さんとの
固い連帯を誓った(8月28日 足立区生涯学習センター講堂)

 <大坂正明さんメッセージ>
 菅政権はオリンピックを強行して、「国威発揚、政権浮揚」を図りましたが、その思惑はあえなく破綻しました。オリンピックによってコロナ対策の無能・無策ぶりをごまかすことは出来ず、感染爆発と支持率低下を招くだけでした。このことは菅政権=自民党政権を本当に打倒しなければならない時を迎えたことを意味します。
 星野さんを先頭にして闘った渋谷闘争から50年目のこの秋、辺野古新基地闘争をはじめとする沖縄の闘いと固く連帯して、菅政権を打倒しましょう。
 「救援会」という名を掲げても、その土台には沖縄闘争ががっちりと据えられているはずです。沖縄と一体となって菅政権を打倒し、辺野古新基地建設阻止そして沖縄の全ての基地の撤去を闘いぬいてください。
 昨年の初め頃だったと思いますが、私が救援会結成について意見を求められた時、「私には知り合いがほとんどいないので結成は無理だから作らなくていい」と言っていました。しかしいつの間にかという感じで、同郷の小泉さんを事務局長として結成集会が開かれました。そこに150人ほど結集したということにまず驚きました。そして今年6月には拘置所包囲デモまで実現したことにはさらに驚きました。
 私はこれまでの救援会の様々な活動に大いに励まされています。言葉には尽くせない感謝の気持ちでいっぱいです。
 私の裁判が始まるのは来年の初め頃ではないかと言われています。裁判の準備に4年半もかけたうえ、その間は接見禁止という、まるで有罪が決まったかのような不当な扱いが続いています。
 しかし皆さんの励ましのおかげで、気が滅入ることもなく裁判を迎えることができます。
 まだ数か月ありますが、一人でも多くの方に裁判所で顔を合わせることができればいいなと考えています。
 これからもよろしくお願いします。

 <連帯のあいさつ>

 星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議  星野暁子さん
 1971年11月14日沖縄返還協定批准阻止渋谷闘争は今年50周年を迎えます。機動隊員1人が死亡したことに対し、星野文昭にでっち上げの無期懲役刑をかけ命を奪い、奥深山幸男さんを病気に追い詰め、1994年免訴の訴えをたなざらしにして、大坂正明さんを46年間の指名手配攻撃の末起訴しました。
 大坂さんに対する接見禁止、鼻ポリープ治療を拒否する権力の対応を見ると、50年前の渋谷闘争がいかに打撃を与えたかが分かります。沖縄闘争を闘った星野、大坂、奥深山は一体です。  権力の集中した弾圧に仁王立ちしている大坂さんとともに闘い、必ず取り戻しましょう。


 迎賓館・横田爆取でっち上げ裁判 元被告 十亀弘史さん
 大坂さんへの弾圧を絶対に許すことは出来ません。でっち上げは権力が行う最も卑劣な犯罪で、大坂さんへの指名手配、逮捕、起訴、そのすべてが故意に基づく暴力行使です。人民の闘いの前進が権力のでっち上げを引き出す。現在その最大の例が関西生コンへの弾圧です。
 大坂さんへの公訴提起は違法です。弾圧を粉砕する具体的な根拠と手掛かりは数多くあります。すべての手を尽くし、公訴自体をなきものとしましょう。
 大坂さんの無実と権力による拷問的な処遇を怒りを持って訴え、社会にあふれているすべての怒りとつながり、闘いを大きく発展させましょう。


 救援連絡センター  菊池さよ子さん
 救援連絡センターは今年、横浜刑務所、千葉刑務所、そして東京入管、それぞれ獄中で多くの人がコロナに感染し、まともな医療を全く受けられない状態で処遇が悪化したことに対し、中の人たちと連帯するために外から皆で押しかけ、面会をさせろ、命と健康を守る獄中医療をやれと訴え、皆さんとともに闘いました。
 獄中医療は獄中者のためではなく、治安のために使われる獄殺医療だと私は思います。
 大坂さんが東京拘置所で闘っている。自分たちに何ができるのかが問われている。医療をかちとるために救援連絡センターも皆さんとともに闘います。

 外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会  鎌田由子さん
 入管収容所での処遇問題について取り組んでいます。6月13日の東拘デモに激励されたと中から声が届いています。
 外国人は刑務所を出獄したらそのまま入管に移監になります。彼らが決まって言うことは、刑務所は私を人間として扱ってくれたが、入管は動物以下だと。それぐらい外国人に対する差別がまかり通っているということについて、医療の問題としても皆さんにも知っていただきたい。
 コロナ禍のいま、医療を取り戻す闘いが必要です。大坂さんの治療をかちとろう。星野文昭さんを殺された今、無実無罪をはっきりさせる闘いとして、大坂さんを何としても奪還しよう。

 <基調報告  事務局長 小泉義秀>
 大坂さんとの獄壁を超えた団結をいかに作るか、そういう1年でした。東京拘置所への申し入れ行動を続け、当局にコロナ問題などを対応させる段階に入りました。闘いの成果です。もっともっと当局を追い詰め、必ず大坂さんの鼻の治療を実現し、接見禁止を打ち破りましょう。
 大坂裁判は星野さんの第三次再審に直結する闘いです。沖縄闘争に対する弾圧であり、大坂さんを守り抜き無罪をかちとることは、現在の沖縄の闘いを守り抜くことにもつながります。
 大坂正明さんにかけられている弾圧との闘いは、71年渋谷闘争のような闘いに今日の沖縄闘争が発展することへの恐怖です。私たちは国家権力のいかなる攻撃にも真っ向から立ち向かい、全力で闘って打ち砕き、絶対に大坂さんをとり戻す決意です。実力闘争をよみがえらせよう。
 星野国賠勝利と大坂正明さん奪還を全力で闘いぬき、毎月の東拘宣伝カー行動をうちぬこう。11月28日に渋谷闘争から50年の集会を成功させ、年内にもう一度東拘包囲デモをやろう。

 <星野闘争からの提起  狩野満男さん>
 71年渋谷闘争は返還協定の根幹である日米安保のアキレス腱を切り裂く闘いでした。その実力闘争は政府の沖縄政策に大打撃を与え震撼させるとともに、沖縄との分断を打ち破る最大の闘いとなり、それゆえに歴史的な弾圧を呼び込んだのです。
 50年経て今なお大坂さんに弾圧がかけられている。星野闘争は改めて、この弾圧との闘いを正面課題に据えました。弾圧の内実を暴き、全国で訴え沖縄と連帯する戦争・改憲阻止の闘いに独自の力を発揮していきます。
 星野さん獄死の核心は一審死刑求刑の意図がそのまま貫かれたことです。奥深山裁判を放置し、半世紀たって大坂さんを起訴しました。半世紀にわたる弾圧を一体的にとらえ返し、これとの闘いの勝利性を改めて確信しよう。真に沖縄と連帯する闘いを作り出し、全ての怒りを大坂さん奪還に据えて闘おう。星野再審の扉をここで開こう。


 <船山泰範先生と弁護団>
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 大坂正明さんへの起訴は違法  刑法学者 船山泰範先生
 昨年から、勉強会を4回行ってきました。皆さんからの質問、拘置所の中の大坂正明さんからも質問を受けました。その中で、私自身も勉強し、皆さんからの質問に答えるように頑張ってきました。
 奥深山幸男さんの裁判と大坂さんの裁判の関係ですが、共犯関係とされている奥深山さんが起訴されたことによって、大坂さんの時効は停止していました。
 奥深山さんの弁護人が公訴棄却・免訴の申し立てを1994年の12月に行っていますが、実はその前から、この裁判は打ち切るべきだと何度も言ってきました。奥深山さんに訴訟能力がなく、1981年に裁判手続が停止されていたのです。1994年に裁判が打ち切りになっていれば、今まで停まっていた時効の針が動き始めますから、もっと早い段階で時効が完成していることになります。
 しかし裁判所は裁判打ち切りをしなかった。やるべきことをしなかった。この裁判所の不作為に対してどう捉えるのかということです。
 奧深山裁判と大坂裁判は別々の裁判であって、今私たちが取り組んでいるのは大坂裁判です。奧深山裁判における不作為を大坂裁判に使えるかどうか。
 奧深山裁判を停めていたということが、大坂さんに影響している。さらに、二つの裁判を警察、検察が連携させている。そういう点で、奥深山裁判の違法性を大坂裁判に援用できると、私たちは考えます。そうすると大坂さんの時効は完成していたと言え、公訴提起は無効です。


 でっち上げ暴く歴史的闘いに  西村正治弁護人
 この4年間、公判前整理手続を闘ってきた。証拠開示の闘いで、検察庁に残っているものはほとんど全部出させることができた。その中で警察や検察が紛失や廃棄をしたものがかなりの数であることも明らかになった。
 検察官の請求証拠は111点。検察側証人の予定が14人となっている。弁護側の請求証拠は139点。証人の予定が42人。今後、双方の証人の採否の攻防になり、それが確定すると公判日程を決めることになる。
 弁護側立証の概要は、まず11・14闘争の正義と権力の弾圧の不正義を明らかにすること。次に50年前の事件での大坂さんへの起訴が違法・不当であることを突きつけること。そして、でっち上げを暴き、無実を明らかにすることです。
 いよいよ裁判に突入する。71年沖縄返還協定批准阻止の闘いを蘇らせ、権力のデッチあげを暴く歴史的闘いに勝利しよう。


 50年前の事件で裁判はできない  山本志都弁護人
 50年は本当に長い年月で、刑事事件の裁判として、およそ成り立ちません。一つに、関係者の高齢化があります。
 群馬の学生を取り調べた中津川検事はいま85歳です。当時の捜査の中心人物であり検察側から証人申請されていますが、その立証趣旨は、なんと「何も覚えていないこと」です。
 弁護側は民間目撃者など多数の証人を申請していますが、生きていても80才90才です。
 また、証拠の散逸も深刻です。検察官面前調書など無くなったことが分かっているだけでも56点確認されており、警察の調書では署名・指印のないものが多数存在している有様です。
 50年前の事件なのに裁判が強行されるということになれば、でっち上げ供述調書だけが裁判で使われることになる。この事件を裁判にすること自体がおかしいと、原則的に言っていかねばならないと考えています。


 裁判員裁判から除外せよ  藤田城治弁護人
 殺人事件であれば裁判員裁判で審理する原則ですが、除外できるには二つの場合がある。  一つは、裁判員に対して危害が及ぶ恐れがある場合、ニュースにあった暴力団・工藤会のような事件です。もう一つは、証人の多さなどから審理が非常に長期間になって裁判員に大きな負担をかける場合です。
 検察官はすでに裁判員裁判除外請求を出している。理由は、裁判員に危害が及ぶ恐れがあるからだと。弁護団からも除外請求を出そうと準備をしている。 裁判員裁判では、裁判員が証人の証言を聞いて、フレッシュな心証を得て真偽を判断する建前になっている。しかし証人の証言は「覚えていません」のオンパレードにならざるを得ない。
 これは裁判員裁判が予定していた事件とは全く異なるものであり、裁判員裁判にふさわしくないと考えます。裁判員裁判からの除外を求めて闘います。


 <大坂さん奪還へのアピール>
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 東京労働組合交流センター  山口弘宣さん
 11月7日の全国労働者集会に巨万の労働者民衆を集めて、菅を倒せと大デモをやりたい。この階級的力こそが大坂さんを奪還するものだと確信している。
 大坂さんを生きて絶対に奪還するため、東京労組交流センターは先頭で闘います。


 婦人民主クラブ全国協議会  三浦正子さん
 38回目の全国総会で、星野国賠に勝利し、大坂さんを生きて奪還する特別決議をあげました。これは、ただの文書ではありません。北海道から沖縄までの本気の決意です。二度と悔しい思いはしたくない。

 全 学 連
 国立競技場の前で機動隊の壁と対峙し、会場の中まで声を届け、オリンピック開会式を射貫いた。つもりにつもった怒りはすべての学生にうずまいている。全学連が先頭にたって、11・14を現代に燃え上がらせていく。

 呼びかけ人 山本敏子
 指名手配は大坂さんを社会から、闘う仲間から、家族から分断する攻撃だ。救援会結成以降、大坂さんとの熱い交流をつくりだしている。仲間がいることが力で、心の支えになっていることをうれしく思う。

 呼びかけ人 飯島幸雄
 船山先生の話で、裁判所が奥深山さんの裁判を打ち切らなかったから、大坂さんの時効が停まっていたとわかり、権力の理不尽に怒りがわいた。許さない。弁護団と共に、大坂さんを生きて取り戻すために全力あげよう。